「天の戸 純米吟醸 一穂積 無濾過生原酒 江戸酵母仕込み」

「天の戸 純米吟醸 一穂積 無濾過生原酒 江戸酵母仕込み」

(浅舞酒造株式会社/秋田県横手市)

酒米:秋田県産「一穂積」
アルコール度:15.7%
酵母:江戸酵母
日本酒度:-9.7

酸度:4.5
アミノ酸度:2.5
価格:720㎖ 1,815円(税込)


●テイスティングコメント
やや黄みがかった色調。
香りには酸っぱさだけでなく、焼いたパンのような香ばしさもわずかに感じられました。
口に含むと、もったりとした丸っこい口当たりが出迎えてくれます。
角の取れた旨味が感じられた直後には、酸がジュワワ…と舌いっぱいに広がります。
3口ほど飲むと鮮烈な酸に慣れてきて、酸の後ろに隠れた旨味にも気付けました。
王道のお酒っぽさ(辛さやアルコール感)が喉元を走る感覚もあり、極太のザ・日本酒という感じもたっぷりと楽しめます。




【小川屋スタッフから】

日本酒のコアなファンの方は、きっと見聞きしたことがあるであろう「江戸酵母」。
簡単に紹介すると、1909年に東京帝国大学農学部の中沢亮治博士が酒造工程のもと(酛)から分離した酵母で、「Saccharomyces yedo(サッカロマイセス・エド)」と命名されています。
発見から100年以上酒造りには使われず、研究室に保管されたままだったそうですが、2010年代に清酒の仕込みに使用され、「眠りから覚めた」「復活した」などといわれている酵母のようです。
通称で「江戸酵母」と呼ばれています。

今回の天の戸さんのお酒は、日本最古級の「江戸酵母」と、昨年デビューしたばかりの秋田県産酒米「一穂積」仕込みで、おそらく史上初のタッグでしょう。
「江戸酵母」がおそらくかなりワイルドな酵母ゆえか、淡麗・繊細な「一穂積」の魅力が少し隠れてしまっている印象も受けましたが、斬新かつ個性豊かな味わいでした。

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日本酒度は-9.7、酸度は4.5、アミノ酸度は2.5。この数値を見ると飛良泉さんの飛囀「鵠-HAKUCHO-」に近いのかな?と思って大興奮しました。
比べると、「鵠-HAKUCHO-」はシュッとした繊細な印象で酸味が輝いて際立つのに対して、今日の江戸酵母仕込みは骨太で、ゆるりゆるりと酸が広がっていくのが特徴です。
なんだろう、英国の紳士と幕末の剣士みたいな感じですかね(伝わらない?)。
ちょっと面白いお酒を飲んでみたい方におすすめできる一本で、目の覚めるような酸の洗礼を受けられますよ。

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今週もあっという間に土曜日で、世の中は3連休の中日です。
当店は今日は通常営業しておりますが、明日25日(日)は第3定休日振替のため、休業いたします。ご不便をお掛けしますが、ご了承いただけますと幸いです。

それでは、今週も6日間お付き合いいただき、ありがとうございました!
お酒とともに楽しい連休をお過ごしくださいませ。  



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