「飛囀 ‐鵠(HAKUCHO)- Type B」


「飛囀 ‐鵠(HAKUCHO)- Type B」
(株式会社飛良泉本舗/秋田県にかほ市)

酒米は「秋田酒こまち」、酵母は「きょうかい酵母No.77」を使用。
白麹(クエン酸)・リンゴ酸高生産性酵母(リンゴ酸)・山廃もと(乳酸)と、これでもかと言わんばかりに、“酸”に重きを置いた純米吟醸酒です。
酸度は衝撃の5.2度(標準的な酸度は、1.4〜1.6度)、日本酒度は−22.0と振り切った数値です。

酸度と日本酒度は、8月6日にご紹介した前作「飛囀 ‐鵠(HAKUCHO)-Type A」 と同じ。
では、今回の「Type B」は前作との違いは何かと言うと、「Type Bは濾過をあまりかけず、仕込みタンクも別にしている」と蔵元さんから伺いました。

今回の「Type B」と前作の「Type A」の比較した感想を紹介します。商品名を略称で記載させていただきますことをご了承ください。

「B」も香りは控えめですが、山廃の香りの存在感がしっかりとあります。
「A」より、リンゴ酸とクエン酸の主張に加えてグレープフルーツのような爽やかさ、はちみつのような甘さも加わったように感じました。より一層、濃縮されたのが「B」ですね。
ジューシーなグレープフルーツを皮まで一緒にかじった時のような酸味から旨味、そして締めの苦みが効いてきます。暑い時にサッパリと飲んだ「A」のインパクトが強いためか、今回の「B」は少しマイルドな印象を持ちました。
とはいえ、目が覚めるようなトリプルアシッドは健在。味覚に色があるなら、ヴィヴィット、という表現がしっくりきます。


※ご注意事項※
「A」と同様に、今回の「B」も酸に振り切ったお酒のため、常温ではその良さや個性が発揮されません。冷やしてこそ、蔵元さんが狙う味わいになります。5〜8度程度によく冷やしてお飲みください。



【価格】
720mℓ 1,870円 (税込)



【小川屋スタッフから】
前作も相当な衝撃でしたが、「Type B」の発売にテンションが跳ね上がった当店スタッフです。
こだわり抜いたお酒や1点に突出したお酒を全面に出すスタンスが好きなので、今回のお酒もやはり、どストライクでした。

ここからは個人的な感想ですが、秋冬には「B」のほうが合うように思います。 夏のうだるような暑さには透き通るような「A」、肌寒くなり冷え込むこれからには濃縮された「B」だな、と。
また、あえてちょっとぬるくして飲んでみたら興味深かったです。
ぬるいほうが苦味が際立ち、よりグレープフルーツのような果実感が増しました。その分、光るように突出していた酸は感じにくくなり、これはこれで美味しいものの、長所がぼやけて損なわれたという感が否めません。
蔵元さんが仰る「冷やして飲んでこそ蔵が狙う味わい」とのお言葉の通りだと納得しました。

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「A」と飲み比べしたい方に朗報です。当店には、残りごく僅かですが「A」もまだございます。
飲み比べしたい方も、革新的な日本酒を飲んでみたい、酸のもたらす魅力を存分に味わってみたい方も、ぜひ一度ご賞味ください。 

(有)小川屋

いらっしゃいませ! 湯沢市のジークブルガー通りにある、 (有)小川屋酒店です。 1922年の創業以来、 稲庭干饂飩とお酒を全国の お客様にお届けしてきました。 豊富な品揃えで皆様を お待ちしております!