「草木谷からの爽風(くさきだにからのかぜ)」
「草木谷からの爽風(くさきだにからのかぜ)」
(小玉醸造株式会社/秋田県潟上市)
秋田県内酒販店限定酒で、総数量は650本です。
潟上市豊川草木谷産の酒米「秋田酒こまち」を全量使用し、酵母は「自社酵母」を使用しています。
ほのかに香る吟醸香と優しい口あたり。雑味が少なくクリアな酒質です。
ふくよかな米の旨味と甘味をたっぷりと味わえます。
爽やかな酸味も相まって、商品名にある「爽風」にぴったりの軽やかなテイストです。
冷や~常温でお飲みいただくのがおすすめ。
【価格】
720mℓ 1,650円(税込)
【小川屋スタッフから】
今日のお酒を語るとき、欠かせないのは「石川 理紀之助(りきのすけ)」さんと「草木谷」でしょう。
明治時代の農業指導者・石川理紀之助さんは、秋田県内を中心に活動し、農業指導活動や貧農の救済支援に一生を捧げた人で、“農業の神様”や“聖農”と称されています。
秋田県在住の方ならきっと耳にしたことがあるであろう、「種苗交換会」の創始者でもあります。
ちょっと長くなりますが、石川理紀之助さんと草木谷について紹介します。
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石川理紀之助さんは20代の頃に秋田県庁の役人として働き、農業や行政に深く関わりました。
38歳で自分の村である秋田郡山田村(現在の潟上市昭和豊川山田)に戻ったところ、なんと村が借金まみれに!
村を立て直すべく村民と一緒に農業に励みながら指導し、農作物の栽培の販売事業を行い、生活費を節約するなどして、7年かかる予定だった村の借金返済計画を5年で完了させました。
見事な立て直しでしたが、周囲からは「貧しい農民の気持ちがわかっていない」、「貧しい農村の実態に合っていない」、「石川家が裕福だったから村の借金を返せたのでは」などの批判も受けます。
村民の努力があって村を立て直せたことを証明するべく、また、自身への疑いを晴らすために単身で「草木谷」へ。
当時の草木谷は1ヘクタールの土地に、けして良い状態とは言えない水田があるだけだったそうです。
草木谷に小さな小屋を建て、貧農生活を何年も実践。
自分の方法が貧農を助けるために役立つものだと身をもって立証した……と言われています。
(参考
https://www.maff.go.jp/j/nousin/sekkei/museum/m_izin/akita_03/akita_03.html│『秋田県農業の神様』農林水産省
https://www.city.katagami.lg.jp/gyosei/kanko_sangyo/kankochi/3351.html│潟上市ホームページ)
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かつて石川理紀之助さんが暮らした草木谷。現在、その豊かな自然を保護して守る活動を行うのは、理紀之助さんのご子孫が主催する「草木谷を守る会」です。
草木谷の環境保全だけでなく、有機肥料を用いて農薬を使用しない酒米や餅米作りにも取り組んでいます。
だいぶ長くなってしまいましたが、そんな草木谷で栽培された酒米を使っているのが、今日のお酒なんですね。
お酒の売上の一部は、この「草木谷を守る会」の活動に使われるそうです。
石川理紀之助さんの精神を受け継ぎ、大切に育まれた土地の恵みがぎゅっと詰め込まれた「純米吟醸 草木谷からの爽風」。
豊かな一滴を物語とともに、たっぷりと味わってみてくださいね。
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